こんにちは。あいです。
この記事では、一級建築士学科試験の施工科目に関連して「建物が建つまでの流れ」について解説します。
試験で「施工の流れ」という項目はありませんが、施工科目の勉強をするに当たり、建物が建つまでの流れを全体像で把握してから勉強した方が理解しやすいと思いますので本記事を役立ててもらえたらと思います。
※本記事は一級建築士試験で通用するレベルの必要最低限の情報をまとめていますので、あらかじめご了承ください。
計画
事前調査
まずは建てる場所の調査を実施します。
調査は具体的に敷地調査、近隣建物調査、地質調査、埋設物調査等があります。
建物は立地条件等によって法的に制限を受けるため、敷地調査で測量をします。
また、施工条件等を確認する目的も含めて近隣建物調査や地質調査、埋設物調査を行います。
設計図書
設計は文字通りの意味で、客先に確認しながら設計図書を作成します。
尚、設計図書は意匠図、構造図、設備図等に分けられます。
工程表、見積書
ある程度設計が固まってきたらその内容を基に工程表や見積書を作成します。
工事が始まるとここで検討した工程や見積を基に施工を進めていきます。
申請
確認申請を初めとし、各種法令の申請をしておきます。
申請の種類ごとにいつまでに申請をしてかなければならないという期限が決まっているため要注意です。へたをすると着工が遅れることになります。
着工
測量
着工するとまず敷地の測量を実施します。
計画の段階でも測量を実施していますが、着工後の測量では通り芯やレベルの墨出し等も合わせて行い、この墨を基準にして建方を進めていきます。
地業工事
本設杭
地業工事は主に杭工事のことを指します。
杭が必要な建物の場合、杭工事を実施する必要があります。
地業工事については以下の記事をご参照ください。
土工事
掘削の工法
基礎等を施工するために掘削します。
掘削の工法にもいくつか種類があり、オープンカット工法、水平切梁工法、アースアンカー工法等があります。
山留め壁
掘削した箇所が土の自重で崩れてしまわないように山留めと呼ばれる仮設の壁を設置します。
山留壁には親杭横矢板、シートパイル、ソイルセメント柱列壁等があります。
地下構築の工法
地下階がある建物の場合、掘削のタイミングで仕込みをする必要があります。
地下工法には、逆打ち工法、ケーソン工法等があります。
地下水の処理
掘削する土中に地下水があると工事を進められないため、地下水が出てきた場合は水を排出する必要があります。
方法としてはディープウェル工法等があります。
躯体工事
地盤下部の工事が完了し、埋戻しまで終わったら次は地盤上部の躯体工事が始まります。
躯体とは主に基礎、柱、梁、壁、床を指します。
鉄骨造の場合は以下の記事をご参照ください。
外装工事
躯体工事が完了すると、躯体工事に使用した外部足場も利用しながら外装工事を行います。
外装工事としては、屋根、カーテンウォール、塗装、建具取付等があります。
内装工事
外装工事がある程度進み、建物内部に雨水等の浸入することがなくなれば内装工事を進めていきます。
内装工事は床、壁、天井等を対象に実施します。
設備工事
内装工事を前後しつつ、設備工事を実施します。
設備工事では、給排水管や電気配線の仕込みの他、防消火設備やエレベーターの設置を行います。
竣工
すべての工事が終われば最後に竣工検査をして、審査に合格すれば工事完了です。
竣工検査では、確認申請等で申請している通りに建物が建てられているか等が確認されます。
新築工事の流れのまとめ
本記事では、一級建築士学科試験の施工科目に関連して「新築工事の流れ」について解説しました。
実務経験がない学生や設計職であまり現場に出ない方等は施工科目の全体像がイメージしづらいと思いますので、この記事が何か役に立てれば幸いです。
それでは。