こんにちは。あいです。
この記事では、一級建築士学科試験の施工科目「施工計画」について解説します。
※本記事は一級建築士試験で通用するレベルかつ私の実務経験を基にまとめていますので、あらかじめご了承ください。
施工計画書
まず、「施工計画」とは工事目的物を完成させるための手段や工法を示した計画のことです。施工計画では、本工事だけでなく総合仮設も網羅します。
工事の全般的な工程や施工方法、品質目標、管理方針を取りまとめたものを「総合施工計画書」、工事全体の中の特定の工事の内容を取りまとめたものを「工種別施工計画書」(施工要領書含む)として作成します。尚、「工種別施工計画書」は簡単な工程では省略することもあります。
基本的に「総合施工計画書」は受注者(主にゼネコン)が作成します。「工種別施工計画書」は各業者(鉄骨業者やコンクリート業者等)が作成し、監理者(主にゼネコン、もしくは経由して設計者)へ提出します。
「工種別施工計画書」を受領した監理者は「品質計画」に関する部分のみ承諾します。(設計図書に記載されている品質を満たしているか等を確認します。)
標準仕様書と特記
「標準仕様書」は工事に使用される材料、工法、試験方法等の標準的な使用が示された書類です。おおよそどの工事でも共通した内容が記載されており、工事ごとに作成するのではなくあらかじめ作成されています。
それに対して、「特記」とは「標準仕様書」と異なる点について、「現場説明書、特記仕様書、図面に指定された事項、標準仕様書」に記載された内容を指します。(一般的な事項しか記載されていない「標準仕様書」では網羅できない、工事ごとの決まりごとが記されています。)
設計図書
設計図書とは建築基準法により「建築物に関する工事用の図面(現寸図その他これに類するものを除く。)及び仕様書」と定義されています。
「設計図書」間で相違がある場合、優先順位は①「現場説明書および質問回答書を含む見積要項所」、②特記仕様書、③設計図、④標準仕様書となります。(相違がないことが理想ですが、人が作るものなのでどうしても矛盾がでることはあります。)
実施工程表(全体工程表)
「実施工程表」とは工事の流れを示した資料であり、竣工日に向けていつ、どの工事を進めていくのかが記載されています。(「実施工程表」では大まかな流れが記載されているだけなため、実際の工事では「週間工程表」や「月間工程表」も作成して、ゼネコンが取りまとめながら各業者と細かく工程を調整していきます。)
工程表の中で最も時間のかかる作業経路を「クリティカルパス」と言います。工期内に工事を完成させるためには、「クリティカルパス」上の作業が遅れないように工程を管理することが重要となります。
監理者
施工科目では「監理者」という単語が頻出しますが、「監理者」≒「設計者」という認識で問題ないです。
建築主(建設を依頼する、いわゆるお客さん)が設計者に依頼して、施工者が実際に工事を進めます。この設計者が監理者となり、施工者がキチンと設計通りの工事を進めているか監理します。
ゼネコンだと自社で「設計者」と「施工者」を抱えているため、一つの物件に対して設計者と施工者が同じ会社ということも多々あります。
施工計画のまとめ
本記事では、一級建築士学科試験の施工科目「施工計画」について解説しました。
「施工計画」は工事全体の流れを指すため、施工科目でまず勉強しておきたい項目になると思います。コンクリート打設や鉄骨建方の細かい施工ルールも対象に含まれますが、これらの項目はそれぞれ「コンクリート工事」や「鉄骨工事」の項目を勉強してから理解を深める形で良いと思います。
それでは。