こんにちは。あいです。
この記事では、一級建築士学科試験の施工科目「鉄骨工事」について解説します。
※本記事は一級建築士試験で通用するレベルの必要最低限の情報をまとめていますので、あらかじめご了承ください。
鉄骨材料関連項目
この章では、鉄骨の材料に関連する項目について整理します。
鉄骨材料
確認項目 | 確認内容 |
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品質確認 | ・建築構造用圧延鋼材は、ミルシート、ミルマーク、ステンシル、ラベル等で品質を確認する。 |
ミルシート | ・鋼材の材質を証明する添付書類。 ・化学成分、機械的性質などの試験結果を掲載し、規格や要求性能を満足することを示す。 |
メタルタグ | ・鉄筋1梱包ごとに付けられた、種別の記号、径又は呼び名、溶鋼番号、製造業者名等の表示がある荷札。 |
鋼材の受け入れ | ・鋼材の現品に規格名称や種類の区分等が表示され材質が確実に識別できるものについては、規格品証明書の原本の代わりに原品証明書により材料を確認して良い。 |
仮置き | ・長期間保存する場合は、直接風雨にさらされないように養生する。 ・とくに現場溶接を行なう開先部は防錆処理を行う。 |
加工によるひずみ防止 | ・あらかじめ逆ひずみをつけてから組立、溶接を行う。 ・変形量を見込んで逆ひずみをつけて組立を行ってから溶接を行う。 ・2部材の背を抱き合わせて変形を拘束する。 |
勾配座金 | ・ボルト頭部またはナットと接合部材の面が1/20以上傾斜している場合に使用する。 |
ソリッドワイヤー | ・ガスシールドアーク溶接の溶接材料に用いられるソリッドワイヤーは、表面に錆などがない場合は、そのまま使用してもよい。 |
製作精度 | ・鉄骨精度検査基準において、柱の長さの管理許容差は10m未満の場合は±3mm。 |
製品検査
確認項目 | 確認内容 |
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製品検査 | ・社内検査と受入、中間検査に分けて行なうものとする。 |
塗装 | ・塗装の指定のあるものは、原則として製品検査を終了した後塗装する。 |
仕口部の長さ | ・梁ブラケット付きの柱の製品検査においては、所定の柱面から仕口先端の第1孔心までの寸法で仕口部の長さを確認する。 |
寸法精度の受入検査 | ・鉄骨製作業者が行う社内検査記録の書類審査。 ・特に必要とする場合は製品を抜取り、寸法を測定する対物検査。 |
鉄骨製作工場 | ・設計図書に特記された加工能力等及び施工管理技術者の適用に適合するものとする。 ・加工能力等によりJ→R→M→H→Sの順に適用範囲を含めグレードが高くなる。 ・グレードMの鉄骨製作工場の適用範囲:鉄骨溶接構造の400N及び490N級炭素鋼で板厚40mm以下の鋼材 |
すきまゲージ | ・鉄骨部材のすき間部分などを検査したり、調整するのに用いる厚さゲージ。 |
ノギス | ・本尺と副尺により1/20mmまでの精度で幅や深さの測定をすることができる器具。 |
工作図と原寸
確認項目 | 確認内容 |
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工作図と原寸 | ・現寸では工場製作に必要な定規、型板、NC(数値制御)情報などを作成し、工作図の情報を正確にこれらに変換する。 |
床書き現寸 | ・床書き現寸を行う場合には、その時期、方法、内容などを特記する。 ・工作図をもってその一部または全部を省略することができる。 |
鉄骨加工関連項目
この章では、鉄骨の加工に関連する項目について整理します。
切断・切削
確認項目 | 確認内容 |
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せん断切断 | ・鋼材の板厚は13mm以下とする。 ・切断面にばりなどが生じた場合は、グラインダーなどにより修正する。 |
ガス切断 | ・高力ボルト接合に使用する添板やがセットプレート等は、板厚13mm以下であってもガス切断する。 |
孔あけ加工
確認項目 | 確認内容 |
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工法の選定 | ・高力ボルト用の孔あけ加工:ドリルあけ。接合面をブラスト処理する場合は、ブラスト前に孔あけ加工する。 ・ボルト、アンカーボルト、鉄筋貫通孔:ドリルあけ。板厚が13mm以下のときは、せん断孔あけとすることができる。 ・アンカーボルト、型枠セパレータ、設備配管用貫通孔などの孔:孔径30mm以上の場合はガス孔あけとしてもよい。 |
ガス孔あけ | ・切断面のあらさは100 μmRz以下とし、孔径の精度は±2mm以下とする。 |
レーザー孔あけ | ・溶損部を含む孔径の精度は±0.5mm以下とする。 |
貫通孔 | ・鉄骨鉄筋コンクリート造では、鉄骨製作の段階で鉄筋の貫通孔をあけておく。 ・主筋の貫通孔は最大の径に統一してもよい. |
めっき | ・溶融亜鉛めっき高力ボルトの孔の径は、めっきの付着による径の拡大を考慮して、孔を大きくすることはしない。 |
曲げ加工
確認項目 | 確認内容 |
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内側曲げ半径 | ・塑性変形能力を要求される部位のうち、ハンチなど応力方向が曲げ曲面に沿った方向である場所:8t以上 ・柱材や梁およびブレース端など塑性変形能力を要求される部位のうち,応力方向が上記の直角方向の場合:4t以上 ・上記以外:2t以上 (t:被加工材の板厚) |
加工温度 | ・常温または加熱加工とする。加熱加工の場合、赤熱状態(850℃~900℃)で行い、青熱ぜい性域(200℃~400℃)で行ってはならない。 |
材料の処理
確認項目 | 確認内容 |
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けがき | ・SN490以上の高張力鋼および曲げ加工されるSN400などの鋼材の外面には、ポンチ、たがねなどによる打痕を残してはならない。 ただし、切断、孔あけ、溶接などにより除去される場合はこの限りでない。 |
高力ボルトの摩擦面 | 以下のいずれかの方法ですべり係数を0.45以上確保する。 ・自然発せい:摩擦面はディスクグラインダーなどにより黒皮などを除去した後、屋外に自然放置して発生させた赤さび状態を確保する。 ・ブラスト処理:摩擦面をショットブラストまたはグリットブラストにて処理し、表面あらさは50μmRZ以上の確保する。赤さびは発生しなくてもよい。 |
めっき
確認項目 | 確認内容 |
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溶融亜鉛めっき | ・ボックス構造、パイプ構造など閉鎖形断面の部材は、両端に亜鉛、空気の流出入用の開口を設ける。 |
高力ボルトの摩擦面 | 以下のいずれかの方法ですべり係数を0.45以上確保する。 ・自然発せい:摩擦面はディスクグラインダーなどにより黒皮などを除去した後、屋外に自然放置して発生させた赤さび状態を確保する。 ・ブラスト処理:摩擦面をショットブラストまたはグリットブラストにて処理し、表面あらさは50μmRZ以上の確保する。赤さびは発生しなくてもよい。 |
CFT
確認項目 | 確認内容 |
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CFT | ・コンクリート充填鋼管(CFT)柱のダイヤフラムに打設孔を設けないと柱の根元までコンクリートが充填できない。 ・空気抜き孔は、コンクリート中の水分の蒸発と打設時に柱中の空気の逃げ道として必要になり、打設孔がないとジャンカが発生する。 |
鉄骨建方関連項目
この章では、鉄骨建て方に関連する項目について整理します。
建方
確認項目 | 確認内容 |
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建物全体の倒れ | ・管理許容差:e≦h/4,000+7mm かつ e≦30mm ・限界許容差:e≦h/2,500+10mm かつ e≦50mm |
柱の倒れ | ・管理許容差:e ≦ H/1000 かつ e ≦ 10mm ・限界許容差:e ≦ H/ 700 かつ e ≦ 15mm |
継手階の階高 | ・管理許容差:-5mm≦ΔH≦+5mm ・限界許容差:-8mm≦ΔH≦+8mm |
クローラークレーン | ・斜め45度方向にブームが向いているとき、最大接地圧となることが多く最も不安定である。 |
柱の倒れ低減 | ・溶接を開始する側から終了する側に向かって収縮量分をあらかじめ倒して建て入れする。 ・スパン数の多い建物では、建物の中央部などに調整スパンを設け、溶接完了後に高力ボルト接合を行う。 |
ベースプレート
確認項目 | 確認内容 |
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支持工法 | ・特記のない場合、ベースプレートの支持工法はベースモルタルの後詰め中心塗り工法とする。 (1)モルタルの強度は特記による。 (2)後詰工法に使用するモルタルは無収縮モルタルとする。 (3)モルタルの塗厚さは30mm以上50mm以内とする。 (4)中心塗りモルタルの大きさは200mm角あるいは200mmφ以上とする。 ・モルタルに接するコンクリート面はレイタンスを除去し、十分に目荒らしを行ってモルタルとコンクリートが一体となるように施工する。 ・ベースモルタルは鉄骨建方までに3日以上の養生期間を取らなければならない。 |
露出形式柱脚 | ・アンカーボルトが当該柱の中心に対して均等に配置されていること。 ・鉄骨柱のベースプレートの厚さをアンカーボルトの径の1.3倍以上としたものであること。 |
仕上がり精度 | ・モルタルの仕上面は,柱鉄骨の建方前にレベル検査を行う。 ・柱すえ付け面の高さ:ΔH 管理許容差:-3mm≦ΔH≦+3mm 限界許容差:-5mm≦ΔH≦+5mm |
アンカーボルト
確認項目 | 確認内容 |
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出の高さ | ・ボルト頭部の出の高さは、ねじが2重ナット締めを行っても外に3山以上出ることを標準とする。 |
材質等の指示 | ・アンカーボルトの材質、径等特別な指定がない場合は六角ボルトに相当するものを用いる。 |
位置のずれ | 管理許容差:-3mm≦ΔH≦+3mm 限界許容差:-5mm≦ΔH≦+5mm |
仮ボルト
確認項目 | 確認内容 |
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仮ボルト | ・建方作業における部材の組立てに使用し、本締めまたは溶接までの間、予想される外力に対して架構の変形および倒壊を防ぐためのボルト。 |
配置 | ・一般的な高力ボルト継手では、仮ボルトは中ボルトなどを用い、ボルト1群に対して1/3程度かつ2本以上をバランスよく配置して締め付ける。 ・混用接合および併用継手では、仮ボルトは中ボルトなどを用い、ボルト1群に対して1/2程度かつ2本以上をバランスよく配置して締め付ける。 ただし、ウェブのボルトが2列以上の場合は、安全性を検討したうえで1/2以下に減じてよい。 ・溶接継手におけるエレクションピースなどに使用する仮ボルトは、高力ボルトを使用して全数締め付ける。 |
継手・仕口
確認項目 | 確認内容 |
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併用接手 | ・高力ボルトと溶接の併用継手は、高力ボルトを先に締め付け、次に溶接を行う。 |
スカラップ | ・フランジ部の完全溶け込み溶接部、ガセットプレートの溶接線が重なる部分に、これを避けるために設けられる円弧状の切り欠きのこと。 ・スカラップに起因する早期の脆性破壊を防止するための工法として、ノンスカラップ工法や改良型スカラップ工法等が提案されている。 |
スプライスプレート | ・H型鋼などの鋼材の継手部分に使用する鋼板の添え板のこと。 |
錆止め塗装
確認項目 | 確認内容 |
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塗装しない部分 | ・工事現場溶接を行う箇所およびそれに隣接する両側100mm以内および超音波探傷に支障を及ぼす範囲。 ・高力ボルト摩擦接合の摩擦面。 ・コンクリートに埋め込まれる部分。 ・ピン・ローラーなど密着する部分や回転、摺動面で削り仕上した部分。 ・組立てによって肌合わせとなる部分。 ・密閉となる内面。 |
塗装作業中止 | ・塗装場所の気温が5℃以下または相対湿度が85%以上のとき. ・塗装時または塗膜の乾燥前に降雪雨、強風、結露などによって水滴、じんあい(塵埃)などが塗膜に付着しやすいとき。 ・炎天下で鋼材表面の温度が50℃以上と高く、塗膜に泡を生ずるおそれがあるとき。 |
耐火被覆
確認項目 | 確認内容 |
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検査方法 | ・施工中は施工面積5㎡当たり1箇所を単位として、ピンなどを用いて厚さを確認しながら施工する。 ・吹付け工法の施工後における厚さとかさ比重は、コアを採取して測定する。 ・測定頻度は、各階ごとかつ床面積1500㎡ごとに各部位1回を原則として、1回につき5個とする。 ただし、延床面積1500㎡未満の建物に対しては2回以上とする。 ・確認ピンはそのまま存置しておく。 |
吹付け | ・耐火被覆に用いる湿式吹付けロックウールについては,剥落防止のために下吹きと上吹きの2回吹きとし,下吹きの翌日に上吹きを行う。 |
溶接関連項目
この章では、鉄骨工事に欠かせない溶接に関連する項目について整理します。
溶接施工一般
確認項目 | 確認内容 |
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エンドタブ | ・エンドタブとは、溶接の始端と終端に生じやすい溶接欠陥を、本溶接継手内に残存させないために取り付ける鋼製の板のこと。 ・開先のある溶接の両端では、エンドタブを用いる。ただし、工事監理者の事前の承認があれば、その他の適切な方法を用いることができる。 ・柱梁接合部では、エンドタブは裏当て金に取り付ける。ただし、組立て溶接を再溶融させる場合は、開先内に組立て溶接を行ってもよい。 ・エンドタブは切断しなくてよい。 |
溶接の制限 | ・気温が-5℃を下回る場合:溶接を行ってはならない. ・気温が-5℃から5℃の場合:接合部より100mmの範囲の母材部分を適切に加熱して溶接する。 ・風の強い日は遮風して溶接を行う。 ・ガスシールドアーク溶接の場合、風速が2m/s以上ある場合には溶接を行ってはならない。ただし、適切な防風処置をした場合はこの限りではない。 ・雨天または特に湿度の高い場合は,たとえ屋内であっても水分が母材の表面および裏側付近に残っていないことを確かめてから溶接を行う. |
溶接材料 | ・丁寧に取扱い被覆剤のはく脱、汚損、変質、吸湿、著しい錆のあるもの等は使用しない。 ・吸湿の疑いがあるものは、その種類に応じた乾燥条件で乾燥する。 |
溶接棒 | ・400N/m㎡級などの軟鋼で板厚25mm以上の鋼材、および490N/m㎡級以上の高張力鋼の組立て溶接を被覆アーク溶接で行う場合、低水素系の溶接棒を使用する。 |
異物の除去 | ・開先面とその周辺は浮いたスケール、スラグ、さび、油、水分その他溶接に支障となるものは除去する。 ・固着したミルスケール、防せい用塗布剤は通常の開先面とその周辺では除去しなくてもよい。 |
溶接順序 | ・下層階から溶接を実施すると、上層階で柱の倒れ変形が累積するおそれがあるので、最上階を先行して溶接する。 |
溶接禁止 | ・柱梁接合部の裏当て金の組立溶接は、梁フランジの両端から5mm以内、ウェブフィレット部のR止まり、隅肉溶接止端部から5mm以内の位置には行わない。 |
温度管理 | ・溶接金属の所定の機械的性質を確保するために、入熱及びパス間温度の管理値が定められている。 |
鋼板の板厚 | ・通しダイアフラムを構成する鋼板の板厚は、梁フランジの板厚よりも厚いものを用いる。 |
SN材 | ・SN400A材:溶接を施さない部材に使用。 ・SN400B材:溶接を考慮し、一般的な部位に使用。 ・SN400C材:板厚方向に大きな引張力を受ける部分に使用。 |
突合せ溶接 | ・突合せ溶接される部材の板厚が異なる場合の溶接物の形状は以下による。 ・クレーンガーダーのように低応力高サイクル疲労を受ける突合せ継手:厚い方の材を1/2.5以下の傾斜に加工し、開先部分で薄い方と同一の高さにする。 ・板厚差による段違いが薄い方の板厚の1/4を超える場合あるいは10mmを超える場合:T継手に準じた高さの余盛を設ける。 ・板厚差による段違いが薄い方の板厚の1/4かつ10mm以下の場合:溶接表面が薄い方の材から厚い方の材へなめらかに移行するように溶接する。 |
完全溶け込み溶接 | ・完全溶込み溶接は裏当て金がある場合と裏はつりをする場合以外は認めない。 |
エレクトロスラグ溶接 | ・溶接組立箱形断面柱ダイアフラムの溶接継手などに用いられ、溶接作業は鉛直で行う上進の立向溶接法である。 |
焼き抜き栓溶接 | ・デッキプレートを鉄骨部材に溶接する場合に採用する。ただし、スタッドが特記されている場合は焼抜き栓溶接を省略し、アークスポット溶接を行う。 |
ロボット溶接 | ・オペレーターは下向溶接の有資格者とする. |
溶接ゲージ | ・隅肉溶接ののど厚、脚長やビード幅の測定、アンダーカット深度等を測定する器具。 |
ラミネーション | ・鋼材の製造において,種々の酸化物,けい酸塩,硫化物の非金属介在物や気泡等が圧延によって圧延方向に延ばされ層状に分布することによってできる内部の層状欠陥のことである. |
スタッド溶接
確認項目 | 確認内容 |
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一般 | ・スタッド溶接は特記のない場合、アークスタッド溶接の直接溶接とし、下向姿勢で行う. ・スタッド溶接用電源は、専用電源を原則とする。 |
スタッド溶接技能資格者 | ・22mmφ以下の下向き溶接:資格種別A級(基本級) ・16mmφ以下の横向き溶接、16mmφ以下の上向き溶接を行う:資格種別B級(専門級) |
打撃曲げ検査 | ・ロットの構成:100本または主要部材1本または1台に溶接した本数のいずれか少ないほうを1ロットとする。 ・サンプリング:1ロットにつき1本行う。 ・合否の判定:曲げ角度15度で溶接部に割れその他の欠陥が生じない場合には、そのロットを合格とする。 ・ロットの処置:合格ロットはそのまま受け入れる。 不合格になった場合は、同一ロットからさらに2本のスタッドを検査し2本とも合格の場合はそのロットを合格とする。 ただし、これら2本のスタッドのうち1本以上が不合格になった場合、そのロット全数について検査する。 |
仕上がり高さ | ・スタッド溶接の仕上がり高さの限界許容差:指定した寸法の±2mm以内、傾きの限界許容差は5°以内。 |
試験溶接 | ・午前と午後の作業開始前に、適切な溶接条件を設定するために試験溶接を行う。 ・試験溶接は、2本以上のスタッド溶接を行い、30度の打撃曲げ試験を行って溶接条件の適否を確認する。 |
デッキプレート | ・頭付きスタッドをデッキプレートを貫通して溶接する場合、径16Φ以上のスタッドを用い、デッキプレートを梁に密着させて溶接する。 |
組立溶接
確認項目 | 確認内容 |
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組立溶接 | ・組立て溶接は4mm以上の脚長をもつビードを適切な間隔で配置しなければならない。 ・ビードの長さは板厚が6mm以下の場合は30mm、板厚が6mmを超える場合は40mmを最小とし、特にショートビードとならないように注意する。 |
根巻型柱脚 | ・柱脚の周囲にある鉄筋が障害になることが多いが、この鉄筋をなるべく傷めないように取り扱必要がある。 ・鉄筋を曲げたり元の位置に戻したりする場合、850~900℃に加熱して曲げる。 ・鉄筋を曲げる場合の角度は30°以下。 |
浮かし張り | ・成形板耐火被覆材の張付けにおいて、鉄骨面が平滑ではない部分は鉄骨ウェブ部に捨板を取り付けて浮かし張りとする。 |
溶接部の検査と補修
確認項目 | 確認内容 |
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溶接部の受入検査 | ・表面欠陥の検査および精度の検査:目視検査。目視で基準を逸脱していると思われる箇所に対してのみ適切な器具で測定する。 ・完全溶込み溶接部の内部欠陥の検査:超音波探傷検査による。 ・それぞれのロットから10%に相当する部材数を検査対象としてサンプリングする。 |
溶接欠陥の補修 | ・アンダーカットまたは余盛不足の箇所:必要に応じて整形した後ショートビードとならないように補修溶接し、必要な場合はグラインダー仕上げ。 ・オーバーラップまたは過大な余盛:削り過ぎないように注意しながらグラインダー仕上げ。 ・ピット:アークエアガウジング、グラインダーなどにより削除した後、補修溶接。 ・表面割:割れ箇所の両端から50mm以上はつりとって船底型の形状に仕上げ、補修溶接。 ・内部欠陥:非破壊検査記録に基づいて欠陥の位置をマークした後、アークエアガウジングによりはつりとって実際の位置を確認し、欠陥の端部より20mm程度除去し船底型の形状に仕上げてから再溶接。 明らかな割れの場合には,割れの端部より50mm以上はつりとる。 |
ボルト関連項目
この章では、ボルトに関連する項目について整理します。
高力ボルト接合
確認項目 | 確認内容 |
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搬入 | ・高力ボルトは、包装の完全なものを未開封状態のまま工事現場へ搬入する。 ・工事管理者は受入れ時に、荷姿、種類、等級、径、長さ、ロット番号などについて確認する。 |
はだすき | ・接合部にはだすきがある場合の処理は以下の通り。 はだすき量が1mm以下:処理不要 はだすき量が1mmを超える:フィラーをいれる ・フィラープレートの材質は母材の材質にかかわらずSN400A材でよい。なお、両面とも摩擦面としての処理をする。 |
ボルト孔くい違い | ・接合部組立て時に積層した板間に生じた2mm以下のボルト孔のくい違い:リーマ掛けして修正。 ・孔のくい違いが2mmを超える場合:接合部の安全性の検討を含め工事監理者と協議して定める。 |
回転量の不足 | ・ナットの回転量が不足しているボルトについては所要のナット回転量まで追締めする。 |
締め付け手順 | ・高力ボルトの締付け作業は1次締め、マーキング、本締めの3段階で行う。 ・1群のボルトは中央部から周辺に向かって締付ける。 |
高力ボルトの種類 | ・締付け位置によってトルシア形高力ボルト専用締付け機が使用できない場合、高力六角ボルトと交換してトルクコントロール法またはナット回転法によって締付ける。 |
一次締めトルク | ・溶融亜鉛めっき高力ボルトの一次締めトルクは以下の通り。 M16の場合:約100N・m M20とM22の場合:約150N・m M24の場合:約200N・m M27とM30の場合:約250N・m ・トルシア形高力ボルト及び高力六角ボルトの一次締めトルクは以下の通り。 M12の場合:約50N・m M16の場合:約100N・m M20とM22の場合:約150N・m M24の場合:約200N・m M27の場合:約300N・m M30の場合:約400N・m |
高力六角ボルト
確認項目 | 確認内容 |
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高力ボルトの検査 | ・高力ボルトの締付けおよび検査に用いる機器のうち、トルクレンチ及び軸力計は±3%の誤差範囲の精度が得られるものを用いる。 |
ナットの表裏 | ・ナットは表示記号のある側が表、座金は内側面取りのある側が表である。 |
締付け後の検査 | ・すべてのボルトについて1次締付け後に付したマークのずれによって共回りの有無、ナットの回転量、ナットから突き出た余長の過不足を目視で検査する。 ・いずれについても異常が認められないものを合格とする。 |
トルシア系高力ボルト
確認項目 | 確認内容 |
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回転量の測定 | ・同一群のボルトのナット回転量にばらつきが認められる場合、群のすべてのボルトのナット回転量を測定する。 ・その平均値の算定を行い、ナット回転量が群の平均回転量に対して±30°の範囲内にあるボルトを合格とする。 |
共回り | ・共回り、軸回りを生じた場合、ナット回転量に異常が認められた場合、ナット面から突き出た余長が過大または過小の場合には新しいセットに取り替える。 |
鉄骨工事のまとめ
本記事では、一級建築士学科試験の施工科目「鉄骨工事」について解説しました。
鉄骨工事は項目が多くて勉強も大変だと思われますが、工事のどの工程について問われているのか意識して勉強していけば理解は深まると思います。
それでは。