【合否が決まる!?】一級建築士製図試験、課題文の読み方を教えます!

こんにちは。あいです。

一級建築士製図試験の勉強は順調でしょうか。

設計課題の条件を無視していることに気付かずに、エスキスや作図の段階で困ることはありませんか?

減点方式の製図試験では、課題文の読み取りが一番重要な作業と言っても過言ではありません。

この記事では、そんな製図試験の課題文の読み方を解説します。

課題文の読み取りで合否は決まる!

課題文に100%従えば合格できる!

設計製図試験は受験番号と名前を書いて、課題文に書いてあることすべてを満たせば受かる試験です。

つまり、課題文に書いてあること(=試験元の言うこと)が絶対です。

課題文に白と書いていれば黒でも白、現実的にはあり得ない設計をしても課題文に即していればOKです。

逆に言えば、新建築に掲載されるような素敵な建物を設計しても課題文の条件に違反していればアウトです。

条件無視すると減点or即不合格!

製図試験は学科試験と異なり減点方式の試験です。

何をしたらマイナス何点、というような具体的な採点基準は不明ですが、採点のポイントは建築技術教育普及センターHPにて公開されています。

「設計条件・要求図面等に対する重大な不適合」となっているものについては即不合格(=ランクIV)、それ以外については減点と考えて問題ないと思います。

軽い減点の条件無視でも、数が増えてくると不合格(ランクII、ランクIII)となってしまいます。

課題文の読み取りが適切にできておらず条件の読み飛ばしをした場合、エスキスや作図云々の前に不合格が決まってしまいます。

課題文を読む前の心得

この章では、課題文を読む前に覚えておきたい心得を解説します。

建築技術教育普及センターHP掲載「設計製図の試験の課題」は必ず読んでおく!

設計製図試験の課題は例年7月下旬に発表されます。

ここで発表される課題内容が、試験前に入手できる課題内容に関する唯一の情報です。

課題内容発表直後に確認することは当然として、特に初受験者は勉強中に折を見て繰り返し読み返してください。

最初は流し読みしていた箇所も、勉強して知識を身に付けた後だと得られる情報量が変わります。

また、令和2年の課題文からは、「設計製図の試験の課題」が設計課題に再掲されており、重要性がさらに増していることが伺えます。

課題文は隅から隅まで読む!

課題文は毎年必ずどこかにトラップがあることを覚えておいてください。

平成30年から課題文の用紙がA3からA2になったのは分かりやすい例で、単純に文章量が増えて当時の受験生は出鼻をくじかれたそうです。

これくらい分かりやすいトラップなら良いのですが、恐ろしいのは一見例年通りの箇所です。

「要求図書」において、平成27年までは「簡潔な文章や矢印等により補足して明示してもよい。」だった文章が、平成28年では「簡潔な文章や矢印等により補足して明示する。」と変わっていました。

資格学校によると、この年で補足がなかった図面はことごとく不合格だったそうです。。。

ある程度練習課題をこなしていくと、課題文のどこにどのようなことが書いてあるのかが分かってきます。

しかし、課題文の読み飛ばしは厳禁で、必ずどこかにトラップがあると思って読んでください。

チェックポイントはマーキングする!

チェックポイントをマーキングしておくことで、読み落としを防ぎやすくし、後で見直すべきチェックポイントが明瞭になります。

主なチェックポイントは以下の2通りです。

①エスキス完成時のチェックポイント
②作図完成時のチェックポイント

この2種類で考えると、マーカーは2色が良いかと思います。

私はエスキス完成時のチェックポイントを橙色、作図完成時のチェックポイントを緑色のマーカーで色分けしていました。

要求室は最後に読む!

敷地条件を真っ先に確認したり、留意事項を最初に読んだり、課題文の読み進め方は人によって異なります。

いろいろ試してみて、一番読み取りミスが防げそうな方法にすれば良いと思うのですが、要求室は最後に読むようにしてください。

その理由は要求室は情報量が多いということです。

「その他の施設等」や「留意事項」は文章量が少ないですが、設計する上で致命的になりかねない条件がサラッと書いてあることがあります。

膨大な要求室の情報を必死に頭に詰め込んだ後だと、他の項目で読み落としのリスクが高まってしまいます。

課題文の構成は?

基本の構成は例年同じ

課題文は主に以下の項目から構成されています。

I.設計条件
①主文(課題文冒頭の箇所)
②敷地及び周辺条件
③建築物
④屋外施設(その他の施設等)
⑤留意事項
⑥敷地図
⑦地盤略断面図

II.要求図書
⑧要求図面
⑨面積表
⑩計画の要点等
⑪防火設備等の凡例
⑫建築物の計画に当たっての留意事項←令和2年New

見出しや配置が変わったところで、書いている内容はほとんど変わらないため本番は驚かずに臨んでください。

おすすめの読み進め方

この章では、私が行っていた読み進め方を紹介します。

①設計条件(主文)

まずは主文を読み、設計条件の概要を把握します。

エスキスの段階で、条件の優先順位を考える際に重要な情報となるため、キーワードにはマーキングをしておきます。

②屋外施設(その他の施設等)

駐車場・駐輪場の台数や屋外テラス等の有無について確認します。

試験勉強中、私はよく屋外施設の条件を間違えてエスキスしてしまっていたため、早い段階で確認するようにしていました。

③留意事項

留意事項は例年同じようなことが書いてありますが、重要なポイントを読み飛ばさないように早い段階でしっかり確認しておきます。

特殊な条件だけマーキングしておき、見直しをしやすくしておきます。

④要求図面

課題文の流れに従い、留意事項の次にある要求図面を確認します

要求図面は箇条書きの短文で書かれているかつ例年同じようなことが書かれているため流し読みしがちです。

しかし、要求図面には図面に何を記載すれば良いかという重要な情報が記載されているため、室名の記載ルールや出入口の記号等には必ずマーキングしておきます。

⑤面積表

要求図面とセットで確認しておきます。

それほど変わったことは書かれないとは思いますが、確実に目を通しておきます。

⑥計画の要点等

計画の要点等では記述で何を書くべきかが書かれています。

ここを読むのと同時に記述の解答用紙も併せて目を通すことで、どのような点に気を付けてエスキスをすれば良いのかを意識しておきます。

⑦防火設備等の凡例

延焼ライン及び特定防火設備と防火設備の書き方について書かれています。

資格学校によると令和元年の試験から、特定防火設備と防火設備が正しく示されていないと一発不合格になっているそうなので、書き方が変更されていないか等も要チェックです。

⑧建築物の計画に当たっての留意事項(課題公表の再掲)

令和2年から追加されている項目です。

特に問題はない箇所だと思いますが、何か重要な情報がないか一応確認します。

⑨敷地及び周辺条件+敷地図+地盤略断面図

建蔽率、用途地域、計画する敷地と周辺条件、敷地の地盤条件等を確認します。

私は自分に合った方法として後回しにしている項目です。

一般的には敷地図は最初に確認し、計画の規模感を把握しておく方がベターかもしれません。

⑩建築物

建物の構造種別、床面積の合計、床面積の算定方法等を確認します。

基本的に建築物の項目に書かれている条件を無視すると一発不合格になると思ってください。

ややこしい条件は書かれていませんが、絶対に条件違反しないように数値等にはマーキングしておきます。

⑪要求室

最後に要求室です。

要求室では、どのような用途の部屋をどの程度の規模で設計するかが書かれています。

最も情報量が多く、読み解くのに苦労する項目です。

「〇〇階に計画する」「〇〇への眺望に配慮する」といったエスキス段階で必要な情報と、「〇〇人分のスペースを設ける」「〇〇用のスペースを設ける」といったエスキスで面積さえ確保しておけば作図段階で把握しておけば良い情報とで色分けしてのマーキングがおすすめです。

課題文の読み方まとめ

本記事では、一級建築士製図試験の課題文の読み方について解説しました。

設計製図試験は新建築に載るような素敵な設計をする試験ではなく、課題文にひたすら忠実に設計していく試験です。

課題文の読み取りが適切にできておらず条件の読み飛ばしをした場合、エスキスや作図云々の前に不合格が決まってしまいます。

課題文を適切に読み取ることは合格への第一歩です。

ただ読むだけと侮らず、しっかりとミスの少ない読み方も学んでいきましょう。

それでは。