こんにちは。あいです。
一般的に一級建築士って高難易度の試験ってイメージ有りますよね。私もそうでした。
本当にイメージ通りなのかどうか、この記事では一級建築士試験の難易度について考察します。
一級建築士試験の合格率と合格人数
直近5年の試験結果は建築技術教育普及センターで確認できます。
イメージしやすいように、平成28年~令和2年の実受験者数、合格者数、合格率をグラフにしてみました。
※「合格者人数」は設計製図試験に合格した人数、「合格率」は総合合格率を示しています。すなわち、当該年度で一級建築士を取得した人数と、受験者数に対する資格取得者の割合を示しています。
年度ごとの合格者数は約3,300~3,800人、合格率は約10~12%となっています。
巷でよく聞く、一級建築士試験の合格率は約10%というのはこの数値が根拠となっているのですね。
(ちなみに、近年では学科試験の合格率は上がっていますが、それに伴い設計製図試験の合格率が低くなっているため総合合格率はほとんど変化有りません。)
この合格率だけ強調されると、確かに一級建築士試験って難しい!、という印象を受けますね。
一級建築士試験は実質的に相対評価試験!
相対評価と絶対評価
まずは言葉の定義から説明します。
- 相対評価:他者と比較した評価
- 絶対評価:特定の基準と比較した評価
つまり極端な話、一級建築士の試験では、自分が90点を取っても他の受験生が皆100点なら不合格、自分が10点でも他の受験生が皆5点なら合格となるのです。
学生の頃初めてこのシステムを聞いたときは???という感じでした。てっきり問題自体が難しくて皆簡単には合格点数が取れないと思っていたので。
一級建築士試験は意図的に合格率が絞られている
相対試験だとどうなるか、というところですが、合格者数を意図的に絞ることが可能となります。
つまり一級建築士試験は試験元によって意図的に合格率約10%に絞られているのです。
受験生がどんなに頑張っても絶対に約90%の人が落ちるシステムです。やるせないですね~。
なぜ人数を調整しているのかという理由はよくわかりません。
多すぎたら相対的に一級建築士の価値が落ちてしまう!みたいな理由なんですかね。
資格学校の商売モデルに加担してるというのは流石に邪推だと思いたいです。
※試験元である建築技術教育普及センター(JAEIC)は絶対評価と言い張っているらしいです。詭弁もいいところで腹が立ちますね。
一級建築士試験の採点方法
ではどうやって合格率をコントロールしているのか解説します。
学科試験は年ごとに合格点を変えている
学科試験は試験後に全員分の採点が終わった段階で、適当な合格率(約18~20%)になるように合格点数が決められます。
これはもう建築業界では当たり前みたいに受け入れられていますが、受験生にとってはかなり横暴なやり方ですよね。
一級建築士としてふさわしい知識を有しているかどうかを確かめる試験で、他の人より点数が高かったから合格という基準もさっぱり理解できません。
また、合格点の発表は9月上旬のため、合格点ギリギリの人は合格できているか分からないから合否発表まで戦々恐々としながら設計製図試験の勉強をしないといけません。
受験生を何だと思っているんですかね。
設計製図試験は採点基準が不明
建築技術教育普及センターで一応合格基準は公開されていますが、かなりふわっとした表現です。
絶対受かると思っていた人が落ちていた場合は、チェック漏れをしたのだろうと考えられますが、明らかに一発アウトのミスをしたという人でも合格していたりするので本当に意味不明です。
合格率は30~40%と、学科試験よりは高く設定されています。
しかし、採点基準もあいまいな試験で強制的に半数以上の受験生が不合格にされているというのも納得がいかない話です。
一級建築士の難易度のまとめ
本記事では、一級建築士の難易度について解説しました。
・合格率は約10~12%
・一級建築士試験は相対評価試験のため、どれだけ受験生が頑張ろうとも合格率は変わらない。
一級建築士試験を受験したことがない、もしくは勉強したことがないという人はイメージしにくいかもしれません。
私から言えることは、問題自体がものすごく難しいというわけではないので、必要以上に焦らず着実に勉強していけば大丈夫だということです。
それでは。