こんにちは。あいです。
この記事では、2020年東京オリンピック開催に至る問題点についてまとめます。
諸問題
賄賂で誘致
2016年5月:東京オリンピック・パラリンピック招致委員会がIOC委員であるラミン・ディアク氏の子息が関係するシンガポールのコンサルタント会社に約2億2千万円を支払った問題。(フランスの検察当局公表)
→2019年3月19日:何も問題はなかったと言いつつも、竹田恆和氏がJOC会長の退任とIOC委員辞任。
【私見】
過去のオリンピックでも賄賂くらいしているだろう、という擁護論があるが、少なくとも賄賂が許される理由にはならない。
酷暑を隠して誘致
オリンピック・パラリンピックの時期(7月下旬から9月初旬)は「天候は晴れる日が多く、かつ温暖であるため、アスリートが最高の状態でパフォーマンスを発揮できる理想的な気候」とプレゼン。
→実際は環境省熱中予防情報サイト発表の厚さ指数で「運動は原則中止」とされる35℃以上、厚さ指数31以上を超える日が多発する時期。
【私見】
真夏かつ日中の建築現場を経験しているが、正直立っているだけで身体がうだる。
少なくとも全力でスポーツをするような気候ではないことは確か。
建設現場で過労死
2017年4月15日:新国立競技場建設工事の新人現場監督が自殺
参考記事:新国立競技場建設、過労死を招いた東京五輪組織委と大成建設の罪…想像絶する過酷現場 (biz-journal.jp)
【私見】
同じ建築従事者として言葉にならない程痛ましい事件。
単純に時間で推し量れるものではないが、残業時間が200時間を超えていたのは明らかに異常。
新人に任して良い範疇を超えた業務内容、労働者個人の人権より工期とコスト優先等、この事件では日本の建築業界の問題点が凝縮されている。
私個人としてはこの事件だけで全く歓迎できないオリンピックになっている。
膨張した開催費
誘致の際、「世界一コンパクトな五輪」「世界一カネのかからない五輪」であることをうたい、7340億円程度を試算していた。
→2020年12月22日:1兆6440億円となる見込み。
参考記事:東京五輪、予算を増額 史上最大規模に – BBCニュース
【私見】
これが新型コロナウイルス感染対策費用のためならまだ仕方ないと思うが、ドーム建設の段階ですでに勘定がおかしいことは素人目でも明らかだった。
変わり続けるお題目
誘致当初:復興五輪(東日本大震災に対して)
2020年:人類がコロナに打ち勝った証としての五輪
2021年:コロナと戦う五輪
参考記事:ウイルスに打ち勝った証し→コロナと闘う五輪に 厚労相 [新型コロナウイルス]:朝日新聞デジタル (asahi.com)
【私見】
せめて本当に復興に尽力し続けてきたのなら少しでも東京オリンピック開催に意義を見出せるのだが、実際は寧ろ東北地方からも労働力を奪って復興を阻害しているというありさま。
そもそもが復興は基本的に日本国内の話のため、国際イベントであるオリンピックのお題目に仕立て上げていることがずれている。
盗用エンブレム
2015年7月:佐野研二郎氏が大会エンブレムを発表。
→2015年9月:ベルギーのデザイナーであるデビー氏がデザインの盗用を主張した結果、デザインは白紙撤回。
参考記事:20年東京五輪エンブレムを撤回、盗作疑惑続くなか – BBCニュース
【私見】
あまりにも似すぎていることは確か。
佐野氏が仮に知らなかったとしても、せめて選考委員がこれくらいのチェックはするべきだと思うのだが。
下水トライアスロン
2019年8月:東京オリンピックでもトライアスロン会場となっているお台場海浜公園にてパラトライアスロンのオリンピックテスト大会が予定されていたが、規定値の2倍を超えた大腸菌の数値が出て中止となる。
2021年7月20日:海外メディアからお台場海浜公園の水質が改善されていないことを指摘される。
参考記事:東京五輪、豪メディアが「水質汚染」懸念 トライアスロン選手ら「悪臭」報告…2年前も問題に: J-CAST ニュース
【私見】
人体に有害だということは言わずもがな、まず悪臭を放つ場所で競技をさせようという神経を疑う。
新型コロナウイルスによる開催延期を考慮しなくても、少なくともオリンピック開催までには一年間も対策を講じるのに改善されていないのは怠慢。
女性蔑視発言
2021年2月3日:東京五輪・パラリンピック組織委員会会長の森喜朗元首相が女性を蔑視意見を発言する。
→2021年2月12日:同氏が辞任を発表。
参考記事:森喜朗会長の3日の“女性蔑視”発言全文 ― スポニチ Sponichi Annex スポーツ
【私見】
この思想自体おかしいが、少なくとも当時の時勢で、世界の人々が関係するイベントの責任者がこの発言はあり得なかった。
森氏は辞任したものの、この発言に問題があることすら理解できていないであろうことが日本の人権感覚のレベルを示しているようで虚しい。
豚演出発言
2021年3月17日:東京五輪・パラリンピック開閉会式の演出責任者である佐々木宏氏がタレントの渡辺直美氏を「オリンピッッグ」というキャラクターにする演出を提案していたことが発覚。
→2021年3月18日:組織委員会の橋本聖子会長が佐々木氏の辞任を発表。
【私見】
最初ニュースを見たときはLINEの発言まで槍玉に挙げられるのは酷かとも考えたが、私人としてではなくプロジェクトのライングループでの発言であれば話は別だと思われる。
経緯はどうであれ、これだけ低レベルな発言をしてしまうの人間が演出責任者というのが悲しい。
森喜朗氏の問題もそうだが、これが日本のレベルか。
音楽制作担当者による過去のいじめ問題
2021年7月14日:開会式の音楽制作担当者が小山田圭吾氏と発表。
同氏は過去に障がいを持った同級生にいじめ(こんな言葉で片付けられないレベル)を行っていたことを音楽雑誌にて武勇伝として語っていた。
→2021年7月19日:小山田圭吾氏が辞任。
【私見】
これを過去の話だと擁護する人間がいることに憤りを覚えるレベルで酷いインタビュー記事だった。
事件が知れ渡った直後、組織委員会の武藤敏郎事務総長は「このタイミングでもあるので、引き続き大会を支えていって貢献してもらいたい」等と発言していたが、明らかにこのタイミングでサプライズ発表した運営側が悪い。
スポンサーがCMドタキャン
2021年7月19日:トヨタ、五輪関係のCM放送しないことを発表
【私見】
東京オリンピック開催派の意見として経済効果はよく聞くが、スポンサーがCMを流さない方が得策と考えるようなイベントの経済効果とは何なのか。
不透明なアプリ開発費
2021年2月21日:新型コロナウイルス対策アプリの開発費が73億円と発表。
2021年6月1日:オリンピックが無観客開催になることに伴い、約38.5億円に縮小すると発表。また、後日平井卓也デジタル改革相による恫喝問題も発覚。
参考記事:「徹底的に干す」「脅しておいて」平井大臣、幹部に指示:朝日新聞デジタル (asahi.com)
【私見】
アプリの開発に何十億も掛かっているのはそもそも適切なのだろうか。
システム系は門外漢だが感覚的に一つのアプリに約38億円もどうすればお金が掛けられるのか不明。
尚、政府が別途推進しているアプリの「COCOA」は開発費約4億円とのこと。(実際の性能も考慮するとこの金額もおかしいような気がするが。)
平井氏の発言は論外。
予算が想定より高いならその原因を明らかにさせて交渉を進めるのが普通の流れ。
2020年東京オリンピック開催に至る問題点のまとめ
本記事では、2020年東京オリンピック開催に至る問題点についてまとめました。
いよいよオリンピック開催が強行される直前になってから毎日のように問題が起こり、自分でも何が何だか分からなくなってきたため本記事を書きました。
ひとまず目に付いた重要な事件を抜粋して項目に挙げているつもりです。(本記事を書いている途中にも次から次へと新しい問題が発生していてキリがないです。)
また、新型コロナウイルス関連についてはあえて項目に列挙していないです。(日本の新型コロナウイルス対策は東京オリンピックがどうとか言うレベルではないので。)
起こしてしまった問題はどうしようもないですが、せめて何が問題だったか振り返り、価値観をブラッシュアップさせていきたいです。
それでは。